英会話スクールで講師を選択する際に日本人講師にするべきかネイティブ講師にするべきか悩んでいる方が多いと思います。
結論から言えば、初級者はできるだけ日本人講師(または日本語が通じる講師)を、中級者以上の方はネイティヴ講師の割合をできるだけ多くすることをオススメします。
以下、それぞれのメリット・デメリットをお伝えします。今回は日本人講師編です。
①日本人講師のメリット
日本人の英語の弱点を理解している
日本人講師の場合、その講師の方もゼロから英語を学んできています。
ですので、同じ日本人として「どこでつまづきやすいのか」「なぜここを繰り返し間違えてしまうのか」「この発音は日本語には存在しないから難しい」といった日本人特有の英語のウィークポイントを理解しています。
その講師の方も同じように何度も何度も失敗を繰り返して現在の語学力を獲得していますから、必然的に初級者に寄り添った指導ができるのです。
また、同じ日本の教育課程を経験しているので、日本人が学校で学んだことor学ばなかったことを的確に把握しています。
英語を話しているときの日本人の心情を理解している
英語学習において、英語を学び・話すというプロセスは世界共通なのかもしれません。しかし、それを実際に行う「人」は世界中で同じではありません。
欧米圏では当然とされているような振る舞いもそれ以外の国・地域では当然ではないことがあります。例えば、欧米圏では大きな身振り手振りをしてみせたり、表情や声のトーンを大きく上下させることが一般的です。しかし、それらを行わないと時に「感情の起伏のない取っつきにくい人」や「お高くとまったイヤミな奴」扱いされてしまいます。
でも日本人はそういったことが苦手です。日本人は良くも悪くも感情を内にしまって冷静に振る舞います。そのような人にいきなり「大きなジェスチャーをしろ」「もっと感情に抑揚をつけて話すように」と指導して果たしてうまくいくのでしょうか?
日本人講師であれば、シャイな日本人の気性を存分に理解していますからネイティブ講師がやりがちな無茶ぶりを控えてくれる可能性が高いです。まずはしっかりと言葉で自分の思いを伝えられるようになって頭と心に余裕ができてから感情豊かな英語圏の特性を覚えていけばよいのです。
日本語で質問できる
初級者はそもそも「わからないことを英語で聞くための英語がわからない」ことが多々あります。私も英語を習いたての頃、ネイティブの先生に質問しようとしたものの、どう伝えたらよいかわからず泣く泣く断念したことがあります。
また、仮にネイティブ講師に正確に質問できたとしても、今度はその回答を正確に聞き取ることができずに意気消沈することがあります。私もまさにこれでした。
日本人であれば安心して日本語で質問することができますし、細かいニュアンスも知ることができます。落ち着いて先生の回答を聞き取れることもありがたいです。

②日本人講師のデメリット
発音の良し悪しがある
帰国子女でもない限り、やはり日本人講師の発音はネイティブとは異なります。あくまで「外国語として英語を学んだ人」の発音であることが大半です。
もちろん文法や単語は正確に使用されていますので、彼らの話す言葉をコピーしておけば間違いはないですが、「耳を慣らす」という観点からすると物足りなさを感じることもあります。
最新の英語に対応していない
言葉は生き物とはよく言われることですが、英語ほどこれが当てはまる言語もそうないでしょう。世界中の多用な人々が話しているので、そこから発生する問題点や出来事に関する単語・造語・表現が生まれやすいのです。
この点、日本人講師は少し弱い部分があります。彼らも日本人である以上、普段は日本のネット記事を読み、日本語のSNSを利用し、日本のテレビを視聴し、日本の雑誌や広告を目にしていますから直近で流行っている英語の動向を知る機会が少ないのです。
教科書英語とホンネの英語
英語学習の世界では「教科書英語VSホンネの英語」の図式が多々あります。
例えば、日本人ならば必ず教科書で目にする
How are you?
I’m fine thank you, and you?
という挨拶がありますが、正直、ネイティブはこういう挨拶をすることは稀です。仲の良い友人同士ならば
Hey, what’s up?
What’s up?
という挨拶が交わされます。
初めて聞く方は、なぜ質問に質問で返すのか、そもそも「what’s up」ってなんだ?と思われるかもしれませんが、これがリアルです。
これはかなり初歩的な違いですが、日本人講師がすべてのホンネ英語に対応できているかは疑問です。

③まとめ
以上のとおり、日本人講師は初級者にとって助かるメリットをもっていて、初級者にとってあまり気にするほどでもないデメリットを有しています。これが私が初級者に日本人講師をオススメする理由です。
次回の記事では、ネイティブ講師について深掘りして書いていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。